百合ゲームレビュー -Works of "L" favorites-

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白衣性愛情依存症 簡易考察 2015/12/30追記

本稿では、なおの行動を中心とした考察を行う。

更新

 5/17  考察一 前日談であるSSを深読みし、本編を繰り返さずに行った為、失敗。翌日非公開へ
 5/18  考察二 SSをほぼ無視して、考察一から得られた有益な部分を抽出
 5/19  考察三 該当箇所を再プレイ、論点を整理。考察二を一部修正。時系列表を再構成
 5/20   追記   考察二にラボの件を追加
 5/21   修正   文章のミスを修正
 5/23   追記   考察三に生死不明の場合を追記、時系列表に火事と臓器について追記
12/30 考察四 ホワイトメモリアルの解説を含め、再考察


考察二:


 「白衣性愛情依存症 Shooting Star's Short Stories」について:



  疑問一:SSにある流れ星と童話は本編に関係あるのか
  予想解一:あるが、一部に過ぎない

  疑問二:あるとしたらどの程度関係するのか
  予想解二:自分の為だけの願いが良くない、という点のみ

   (先日行った考察は、この点で本編よりSSを重視した結果、的外れなものとなった)




 白衣性愛情依存症 本編について:



  疑問一:きょうこという危険分子を残したまま、あすかから離れてどうするのか

  (さくやにあすかを託しても、きょうこがいる限り、あすかの命は危険に晒され続ける)
  (きょうこが刺した事を、なおは知らない? しかしきょうこがプリントを見に来た時、明らかに二人は敵対していた)

  疑問二:同様にして、ラボの強硬派に対してどうするつもりだったのか

  (すみかの様な者がいるなら、あすかは危険なまま)
  (いつきルートと同じく、いつきが潰した?)




考察三:


  以下、記憶封印前のあすかを“あすか”と引用符付きで表示。これはゲーム内と同じ。


 ルートデザインの弊害:

  なおルートでは、きょうこの存在を明かせない → 刺殺未遂事件が解決しない
        ↓
  さくやの臓器と魂の事情について言及出来ない → なおは、さくやルートでいつきから聞く

  火事の時にさくや死亡、後にきょうこに臓器提供がなされ、さくやの意識が目覚める

  最初の記憶封印は、毎晩火事の夢に苦しんでいた“あすか”の為
      ↓
  さくやの死が前提となっている (と筆者は解釈)

   視界を覆い尽くす一面の炎。
   そこで、誰かの名前をずっと叫んでる自分がいて。

   今ならわかる、それは施設が火災に遭ったときの記憶。

   叫んでいたのは、さくやさんの名前。”

   “「一度目は、お姉ちゃんが火事の夢に苦しんでたから、
   記憶を消してあげた。お姉ちゃんのためだった」”

  二度目以降の記憶封印、動機はあすか(“あすか”)がさくやのところに戻るのを恐れた為
      ↓
  さくやの生が前提となっている (と筆者は解釈)

  “「恐かった……せっかく本当の姉妹として仲良くなれたのに、
  お姉ちゃんがいなくなっちゃうって思った」

  「さくやさんのところに行っちゃうって……恐かった。だから、また――」”

  この“行っちゃう”というのは、死んだ相手に気持ちが、ということ?
  それとも生きている相手の所に直接向かうということ?

  あすかとなおがそれぞれ、さくやの生死をどう認識していたのか。
  それによって、描出すべき事象が決定される。

  “あすか”は、さくやが生きている事を知りながらも、守れなかった事を嘆いていたのか。
  それともさくやの命が失われた事も含めて嘆いていたのか。

  生死は不明のまま、生存の可能性を残したままに、ただ苦しんでいたのなら、
  “あすか”はかなり残念な精神の持ち主という事になる。

  また、なおの高知能を以ってすれば、それを調査する事も出来たかも知れない。

時期状況能力動機
補足
“あすか”入所以降・名無しと“あすか”が出会う
聞き間違いから、なおの名前が決定
・以降、なおは無遠慮な“あすか”に
惹かれる (少々特殊な性癖が身に付く)


なおは普段
隔離されていた。
なおを知る者は少ない。
なおの為に
センターは作られた
あすか八才
(“あすか”)

・センターで火事、さくや死亡
 (きょうこ、さくやを守る為、職員を殺傷)
 (さくや、それを目にし能力を暴走)
・“あすか”傷心
・その後、なおは“あすか”と
同じ家に引き取られるように手配
記憶封印さくやを助けられず、
火事の夢で
苦しむ“あすか”を救う為
(さくやの死が前提)
なおルートでは、火事の
真相は明かされない。
この時のさくやの生死に
ついても明言されない。
さくやが生きている事を
なおが知っているなら、
記憶を封印せずに、
“あすか”をさくやに
会わせればよい事になる
(臓器移植は火事の後)
中学二年
夏休み前
・なおが不良に一方的に
吹っ掛けられたケンカ(呼び出し)に、
あすかが一人で仲裁に入り、
全治一週間の怪我を負う。
以降、なおはあすかに惹かれる
・あすか、入院七日目に
記憶を取り戻しかける
記憶封印あすかがさくやの所に
戻らないようにする為
(さくやの生が前提)
八才時と同じく、
この時のさくやの生死に
ついては明言されず
中学三年梅雨~
高校三年梅雨
・あすか、梅雨の時期に
記憶を思い出しそうになる
記憶封印あすかがさくやの所に
戻らないようにする為
(さくやの生が前提)
八才、中二時と同じく、
この時のさくやの生死に
ついては明言されず
高校三年
帝都看護
オープンキャンパス
・偶然を装い、さくやといつきに
接近するなお
 (あすかに記憶を思い出させない為、
 釘を刺しておく)



この時さくやの生に対して、
驚きがあった等の
言及はされなかった以上、
なおは、さくやの生を
知っていた事になる。
ここに、八才時における
記憶封印との矛盾が生じる
帝都看護一年
梅雨
・あすか、梅雨の時期に
記憶を思い出しそうになる
記憶封印あすかがさくやの所に
戻らないようにする為

帝都看護一年
試験明け
カラオケ以降
・“わたし好きだよさくやのこと”
 (“あすか”の想いが発露する)
・さくやとの事を応援すると言うなお
 (この辺りから、特に
 封印を解きたいと思い始めた)
 (罪の意識は以前からあった)



帝都看護一年
文化祭
刺殺未遂
・学校の屋上で、
きょうこに刺されるあすか
治癒あすかの命を救う為
(この一件で、なおは能力を
使い切った)
なおルートでは
きょうこの存在は語られず、
事件は未解決。
敵対するきょうこと
なおの問題も未解決
帝都看護二年
梅雨
・あすか、梅雨の時期に
記憶を思い出しそうになるも、
なお、能力は使わず(使えず)



その間
(※文化祭以降
かも知れない)
・別行動を取る事が増えた二人
 (決着を付ける為、
 水面下で行動するなお)



帝都看護二年
最初で最後のデート
・なお、身を引く事を決意。
最後の想い出を作ろうとする



デート後の夜・なお、学校の屋上へ。
それに気付き、追いかけるあすか。
いつき、銃を手になおの元へ。
なお、悪人を演じる。
あすか、許さない事で
なおを繋ぎ止める。
いつき、なおに向けて銃を構える。
あすか、なおを庇う。
さくやが現われ、和解へ
記憶封印
未遂
(狂言)
あすかが普通に記憶を
取り戻すと、なおは感謝されて、
許されてしまうと考えた。
それ故、記憶を奪おうとするも
失敗した、という形を演じた
呼び出しをしてきた
相手から、
なおを守ろうとする事で、
不良事件の一部再現
にもなっている。
後日談にて、狂言の
動機が語られるが、
“あすか”となおの
言わばSM的な関係が
根底にある。“あすか”は
半ば暴力的ではあったが、
そこに強い繋がりを
なおは見出していた

 以下の事情について、なおは、さくやルートでいつきから聞く。

 さくや母の日記:

  “お母さんの日記に書いてあったこと。”

  “施設で火事があった後、一人の少女を養子として引き取ることになった。”

  “少女の名前はきょうこと言って、火事の後、
  すぐに双子の姉妹から臓器提供を受けていた。”

  “そして、きょうこの中でさくやの意識が目覚め――――。”

  “さくやのお母さんはきょうこの願いを聞いて、
  少女の……娘の名前をさくやに改名した、と。”


考察四:


 疑問に対する回答が頂けたようなので、再度考察をしておく。

 それと考察二で提示した疑問二に関しては、特に言及はされていなかった。
 (すみか達、ラボ強硬派の処理について)

 以下、枠内は「ホワイトメモリアル」からの抜粋である。

  “あすかは幼少期の炎の夜、さくやを助けられなかった。
  小さいあすかはこの時、事故自体の恐怖とさくやを失った事実に深く混乱し、
  さくやの生死に関しては、曖昧になったままだったようだ。
  その記憶はなおによって消されるが、中学時、一時的に記憶が戻った時も、
  さくやの生死自体は曖昧なまま。「守れなかった」という事実だけが
  記憶に残っている、との設定だそう。”

  p,49 「はみだしカルテ」より

  当時の“あすか”のことを見ていられなかったなおが記憶を封印したのは、
  以下の理由によるものだった。

  “「一度目は、お姉ちゃんが火事の夢に苦しんでたから、
  記憶を消してあげた。お姉ちゃんのためだった」”

  さくやの生死を確かめる事こそが、真に“あすか”の為になるのではないだろうか。
  さくやの生死が不明なままとなっている“あすか”の記憶を消すというのは、
  対症療法に過ぎず、根本的な解決にはなっていない


  好意的に解釈すれば、高知能であるはずのなおも含め、
  結局のところはただの八歳児に過ぎなかったということだろう。

  しかし、施設焼失事件の後、なおは自身を“あすか”と同じ家に
  引き取られるように手配する程、高い知性を誇っていた筈だが。
  この事は本編でなおの口から語られた上、更に下記の設定が与えられている。

  “あすかの祖母には、大幸かれんという名前が設定されている。
  彼女は元政治家であり、拝沢小児医療研究センターともつながっていた人物だ。
  そういう経緯で、所長以外になおのことを知っている、数少ない人物の一人であった。
  センター焼失時になおから協力を求められ、残党に追われないためのあすかの
  死亡工作などは、この大幸かれんが行ったこと、とされている。”

  p,53 「はみだしカルテ」より

  さくやの生死の確認に関しても、元政治家の資金力や伝手を用いれば容易であっただろう。
  上記において、なおがかれんに自発的に働きかけたのだから、
  同様にして、何故さくやの生死を確認させなかったのかという疑問が残る。


  “屋上での刺傷シーンを生み出したさくやの中にいる双子、きょうこ。
  さくやルート以外では、きょうこがあすかに危害を加えることは、もうないのだろうか?
  これについては、あすかが他の女性と結ばれ、さくやに近付かない限り問題はないのだ、
  とのこと。もともときょうこは、いつきの指示におおよそ従っており、さくやルート
  以外ではその関係性が崩れないのだ。”

  p,63 「はみだしカルテ」より

  なおがそれを知っていたとは思えない。きょうこがプリントを見に来た時、
  明らかになおときょうこが敵対していたのが、その理由である。

  しかし好意的に解釈すると、この時以降、なおがきょうこと接触を図り、
  きょうこの真意を知ったのだとすれば、矛盾は解消される。

  とはいえ、描かれなかった部分は、
  各自で納得がいくまで頭の中で勝手に補えばいいのかも知れない。

  これ以上の考察は他の者に任せることとする。

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  1. 2015/12/30(水) 17:12:31|
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三行日記 2015年 12月

2015/12/31

実験的に始めた日記ですが、今回で終了致します。

ブログとしてはそれなりに正しく機能していましたが、焦点がブレますし、ネタ探しが面倒です。
この役割は他サイト様の仕事なのだと割り切ることにします。これまで読んでくれた方には感謝しています。それでは。


2015/12/30

「白衣性愛情依存症 ホワイトメモリアル」に目を通しました。
解説テキストのみならず、次回作の展望や、本作のiOS版や海外版への取り組み等が興味深かったです。

簡易考察を更新しました。
白衣性愛情依存症 簡易考察

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2015/12/29

今日からコミケですか。個人的にはシンフォギアのアニメーター本を狙っているのですが、
光田氏や式地氏が出すのは三日目だそうです。原画にコメントが振ってあったり、
制作当時の様子について語られているのが、メタ本の面白い所です。


2015/12/28

http://www.famitsu.com/biz/ranking/

ヴァルドラの売り上げは、2週計で約48000枚。昨今の基準だと良く売れた方だとされています。
続編等が期待出来そうで何よりです。そういえば、アニメの最終話にも神楽坂姉妹が一度だけ出ていました。


2015/12/27

白愛のPC版が資料と共に届きました。それと、XPでも問題無くインストール出来ました。
PC版を再プレイする時間が中々取れそうもありませんが、資料だけは年内に急いで確認しておくつもりです。

みやざー氏の押しはやはり、なおちゃんなのでしょう。ホワイトメモリアルのカバー下表紙に注目です。

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2015/12/26


http://www.cyc-soft.com/eyephon/002/# 「ついゆり」が再始動決定だそうです、続報は年明けに。

http://manaria.jp/ 『神撃のババムート マナリアフレンズ』がTVアニメ化。監督は
Candy boyのほしかわたかふみ氏。

http://www.4gamer.net/games/327/G032795/20151224060/ これは、まさかの百合尋問?

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2015/12/25

ヴァルドラのアップデートが来ています。四神戦でのゲージ増加量大、
ヴァイオラのドライヴ技によるゲージ蓄積量減、小春のファントムファールが可能に。

百合ゲーム関係で、クリスマス仕様になっているサイトが無いか探してみたんですが、特に見当たりませんでした。



2015/12/24


『普通の女子校生が【ろこどる】やってみた。』のOVAが本日深夜放送です。

先日、緋弾のアリアAAの最終話が放送されました。売り上げは1200枚程度でしょうか。残念ながら二期は無いでしょう。
大島さんのキャラデは恋姫の頃から好きだったので、少し寂しくもありますが、戦国†恋姫のアニメに期待しています。

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  1. 2015/12/30(水) 01:05:46|
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2015年 百合ゲーム総括

序文:


今年も百合要素を含む多くの作品が発売されました。
ここで、この一年を振り返ってみたいと思います。主要なタイトルのみを取り上げます。

そういえば、クリスマスがそこまで迫っているので、
「きみはね」をプレイするには絶好の時期ですね。

さて、では始めたいと思います。「一覧」、「総括」、「表彰」の三項をもって整理しました。



2015年 百合ゲーム一覧:


1/23  『きみはね 彼女と彼女の恋する1ヶ月』

2/27  『カミツレ ~7の二乗不思議~』

4/17  『FLOWERS 夏篇』

4/30  『白衣性愛情依存症』

6/26  『その花びらにくちづけを にゅーじぇね! 』

8/16  『ねのかみ 京の都とふたりの姫騎士』

10/1  『よるのないくに』

11/19 『オメガラビリンス』

 〃  『ソフィーのアトリエ ~不思議な本の錬金術士~』

11/20 『その花びらにくちづけを ゆりりん』

12/10 『ヴァルキリードライヴ ビクニ』

12/25
 『白衣性愛情依存症 【Windows版】』

12/31 『その花びらにくちづけを れぼりゅーしょん! りなぎさ』

(※念の為発売予定の作品も記載しました。12/20現在)



総括:


一言で言えば、コンシューマーゲームの活躍が目立つ年でした。

同人の中からも野心的な作品が現れ、低価格商業作品からは優れた日常系作品が目を惹きました。


2015年の主要な百合ゲームにおける一作目は、『
きみはね 彼女と彼女の恋する1ヶ月』です。
新規の百合ゲームは、およそ誰もが警戒を覚えるものですが、この作品に関しては全くの杞憂でした。

百合に興味を持ち始めた方が最初に手にするのに相応しい作品です。
とても優しい世界で、作品としての品位も高く、小ぶりですが綺麗にまとまっています。


次に、
『カミツレ ~7の二乗不思議~』ですが、体験版しかプレイしていないものの、
製作側(実制作のみならず広報や流通を含め)はこれが百合好きに受け入れられると思ったのなら、
全くの見当外れの的外れだと考えます。事前調査も不足していたのでしょう。


続けて、『FLOWERS 夏篇』です。相変わらずミステリィは残念なものでしたが、
物語を描こうとする姿勢自体は好印象でした。絵と音楽は言うまでも無く図抜けています。


さらに続けて、『白衣性愛情依存症』について。「ソルフェージュ」や「白恋」の系譜が
受け継がれている事を個人的に期待していましたが、別の方向に舵を切ったようです。
PC版は本編自体に変更は無いらしく、続編の構想も無いようです。


次に、『その花びらにくちづけを にゅーじぇね!』です。特に言う事はありません。


『ねのかみ 京の都とふたりの姫騎士』についてです。
未完結である為、まだ結論は出せませんが、シナリオは作り込まれています。
前編の売り上げは良かったようで、更にそれを後編の開発につぎ込んだらしいので、
次も十分に期待が出来ます。


『よるのないくに』について。事前に公開されていた情報が、シナリオのほぼ全てだったという
良くない意味での驚きはありました。ライターが誰であるかの噂はだいぶ前から出ていました。

サガフロはこちらの10倍以上の売り上げで、美化された思い出を持っている方もおられると思いますが、
個人的に、アセルス編が別段優れているとは思えませんでした。サガフロはシステム重視の作品だと考えます。
シナリオはどちらも雰囲気だけは良かったと感じました。


『オメガラビリンス』について。特に百合的な見所が多いわけではありません。
事情に明るくはないのですが、ローグライクとしては一般的に高く評価されているようです。


『ソフィーのアトリエ』についても同様に、百合的には薄かったそうです。


『その花びらにくちづけを ゆりりん』は未プレイです。


『ヴァルキリードライヴ ビクニ』について。アニメの仕上がりが個人的にイマイチだったので、
さして期待はしていなかったのですが、良い意味で裏切られました。



『その花びらにくちづけを れぼりゅーしょん! りなぎさ』について。プレイする予定はありません。



表彰:



一位 「ヴァルキリードライヴ ビクニ」 


ファントム(空中アクション)による操作感の良さ、シナリオ構成の丁寧さ。

群像劇で、人物毎の視点を取り入れている為、一人当たりの感情移入量は多くはないものの、
短い時間で全体を俯瞰する事が出来た。(とはいえ、アドベンチャーパートは10時間程度あった)

シナリオとゲーム性のバランスが整っていて、相乗効果をもたらしていた。
実際にアクションパートでキャラを動かす事で、キャラへの感情移入が促進され、
アドベンチャーパートで物語への没入と、同じく人物への感情移入が十分になされた。

各キャラには見せ場があり、変化もそれなりにだが細やかに描かれていた。

乱花の倫花に対する愛情や、桃の孤独とその克服、
ヴァイオラの小春に対する複雑な想い、満腹丸ちゃんや越後屋達の真実。

ギャグも面白いし、お色気もある。男性が割って入るという事も無かった。
出来るならこちらもアニメ化して、もっと多くの方に見て頂きたい。


これからもシリーズが続いて行くと思われます。今後ともヴァルキリードライヴから目が離せません。
(2016/12/28 追記:メインシナリオライターの松智洋氏が亡くなった事で、望みは薄いのかも知れません)



二位 「きみはね 彼女と彼女の恋する1ヶ月」 


日常系百合ゲームとして、非常に良く出来ていた。些細な瞬間を大切に思えるのが、日常系の良さだと考える。
突出した美点は見当たらないものの、大きなマイナスとなる点も無かった。以前にレビューした通り、ギャグは秀逸。

百合ゲームにこれまでは無かった、日常系を持ち込んだ稀有な作品。
今の所は、続編などが見込めないのが実に惜しまれる。
(2016/12/28 追記:先日続編が正式に発表されました)

シナリオライター兼ディレクターの方は百合作品の仕事を募集されているようなので、
是非ともその機会に恵まれればと思います。

このクオリティの作品が増えれば、百合ゲームに対する世間の目も好転する事でしょう。



三位 「よるのないくに」

多くの場所で言われているように、切り取った写真のようなブツ切りのシナリオ
は、正に残念の一言。
感情移入を阻害する要素は余りに多く、物語への没入もし難い構造であった。

しかしながら、絵的な面と音楽の為に雰囲気は良く、ゲーム性も十分。
アクションがイマイチだと感じた場合は、その欲求をヴァルキリードライヴで補いたい所。

DLCでシナリオの一部を後から公開するなら、本編に盛り込むべきだが、
商業上の理由という可能性も考えられる。(中古として市場に流されないように)

シナリオライターを発売まで隠し通した事と、VITA版でのグラフィック調整のずさんさはもはや詐欺に近い蛮行。
とは言え、一般的なコンシューマーゲームであそこまで百合を前面に押し出した事は、驚嘆に値する。


不満点が払拭された完全版が出る事が望まれます。



特別賞
 「ねのかみ 京の都とふたりの姫騎士」

前述した通り、シナリオ自体は作り込まれている。未確認だが設定も重厚なのだろう。
完結した後、絵的な面と諸々の演出を一新したリメイクが出される事になれば、高みへと至る可能性があるだろう。


いくぶん遠くからではありますが、この作品が成長していくのを見守っていきたい所です。



結語:


以上が2015年における百合ゲーム総括でした。
来年も良い百合作品に恵まれる事を願っています。

それでは良いお年を。





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  1. 2015/12/20(日) 06:49:38|
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ヴァルキリードライヴ ビクニ 感想/レビュー

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追記:2016/09/02

先月の終わりに考察サイトを立ち上げました。主にマナについて情報を整理しました。
二番目の記事リンクは、掲示板から抜粋したものを集めたものとなっています。

・ヴァルキリードライヴ ビクニ 考察サイト
・ヴァルキリードライヴ ビクニ 猪名川マナについて



前書き:


結論から言うと、少なくとも百合好きであるなら是非プレイして頂きたいです。

百合的な場面は大変多く、ハッキリと矢印が伸びているのが見えます。
それと、男性は一切出て来ません。

良い意味で、賛否が別れるシナリオだと思います。

一部のキャラにいわゆるヘイトを集中的に集めたり、
感情的に突っ走って見えるさまに共感出来ない方もおられるでしょう。
ですが、一人一人の役割が明瞭なのは良いことだと考えます。

最初から真ルート(オーダールート)に入れるように、クリアランクはSSを目指しましょう。
カオスルートから入った場合は主人公の印象があまり良くないからです。

(クリアランクSSが必要なのは、01-Bと01-C、02-B、03-B、04-B、12の全て、
13-A、14の全て、15-A、16の全て)

アクションのクオリティは高く作り込まれており、最後までプレイしても
個人的にプレイヤーとしての伸び代が十分にあるように感じられました。

クリアまでのプレイ時間は最低でも三十時間程度。ダイニングルームでの会話や親愛イベントを全て見れば、
四十時間は掛かるかも知れません。難易度「難」でのSSランクに拘ると、更に数時間は必要となるでしょう。

シークレットミッションを行うことや、フィールドを探索しての下着の収集は、無視した方が良いと考えます。
その理由は、その労力をシナリオの把握に向けた方が、作品に没入し易くなるからです。


以下、「システムについて」以外はネタバレ多数ですので、未プレイの方は注意して下さい。
その場合は下部にある「百合的な場面の抜粋」を軽く眺める程度がお薦めです。




百合的な面とシナリオについて:


何と言っても、乱花の倫花への愛情が目を惹きました。
ヴァイオラの小春に対する複雑な感情や、想いが実を結ぶ所が特に良かったです。
あのパートナー宣言は疑似的な結婚式と言えます。

桃の孤独が段々と消えていくのも良かったです。倫花達との出会いが彼女を希望へと導いてくれました。
それと、基本的に凄く真面目な為、天然な満腹丸ちゃんとの掛け合いが面白かったです。

マナが桃に好意を寄せているという点に着目していくと更に楽しめるでしょう。

 
シナリオについてです。

主要人物の数を絞っているので、全員に活躍の場があります。
構成はそれなりに丁寧で、個人差は割と大きいですが心境の変化等が十分に描かれています。

群像劇的に各人物の想いを知ることが出来たので、
それを知った上で互いに激突していくのを眺めるのは、手に汗を握りました。
どちらにも負けて欲しくない、という気持ちです。

個人的に感情移入が小さい方のキャラを操作して、それが大きい方のキャラと戦う
こともあったので、
そこにプレイヤーとしての葛藤を少々感じました。戦いたくないけど戦わないといけないという感情は、
もしかしたら、倫花と戦う乱花の気持ちに通ずるものがあったかも知れません。


満腹丸ちゃんの真実
には驚かされました、越後屋や先生達の悲壮な想いが胸を締め付けます。

日常パートは満腹丸ちゃんを中心に笑える所も多くあり、シリアスな本編の箸休めとなっています。

ただし通常ルートは構成が甘く、割と倫花がわがままな子にしか見えないのが残念な所です。
個人的な話ですが、私は最初に真エンドを迎えた為、彼女の気持ちに同調するのにあまり抵抗はありませんでした。

乱花のお姉ちゃん大好きな所が、繰り返し見せられるのは百合好きの一人としては最高だったのですが、
そうでない方の一部には少々くどかったかも知れません。しかし通常ルートにおいて、
倫花を守る為に倫花と戦う
ことになった理由としても機能しているので、これは絶対に欠かせないものでした。

最後に、マナに関してです。

マナがああいった権力欲の塊みたいな人物に染まっていってしまったのは、島での境遇だけでなく、
VR-ウイルスとドライヴによる精神の昂揚も理由の一つであったという点は忘れないで頂きたい所です。

シナリオ上、彼女の存在は非常に大きいものです。
本作最大の功労者は、間違いなく彼女です。
それに通常ルート終盤では、とても可愛らしい所を見せてくれました。



システムについて:


一つだけ注意しておきたい事があります。

各パートが終了次第、「ダイニングルーム」へ行き、話しかけておかないと、
後から見直すことは出来ません。そこまで情報量が多いわけではありませんが、
各人物の抱えた想いが解かり易くなると思います。

またこの時にハートにタッチしておく習慣を身に付けましょう。
ハートマークに触れる事で親愛度が上昇して行きます。これが一定値に達すると親愛イベントが見られます。

親愛イベントだけは、ハートを集めれば後からでも見られます。
操作キャラを各人物に切り替えながらハートに触れるのは、結構骨が折れますが、是非とも頑張りたい所です。

ただしこれらの
親愛イベントは、シナリオと構成が別になっているので、
クリア後にオマケとして楽しむ方が良いかも知れません。


 次にアクションに関してです。

デビルメイクライのアクションとドラゴンボールの格闘を足して割った感じです。
(筆者は「カグラ」の方はVERSUSまで購入して積んでいる為、未プレイです。アニメはBD全巻購入済み)

ドライヴに関してですが、ゲージが溜まったら直ぐにドライヴするか、必殺技に回すか、
回復を考えてキープしておく等の運用方も考えられます。基本的には直ぐにドライヴするのがクリアタイム的に有利です。

本作はボタン一回で数回分の攻撃が繰り出されるので、タイミングが掴み難く、つい連打してしまいがちです。
というのも、キャラとドライヴレベル毎にコンボのバリエーションが割り当てられていて、
それら全てのタイミングを把握する
のが少し難しいからです

無論、難易度「難」でのSSランクに固執しなければ、ただ連打しているだけで十分です。
また位置取りと回避に気を払い、こちらの攻撃の隙を回避アクションでキャンセルすれば、
連打だけでも十分にSSが取れるかもしれません。(全てというわけではありませんが)

プレイヤーキャラクターが相手の場合は、○ボタンでファントムストライクやファントムブラストを狙いましょう。
後半は劣勢の戦いを強いられるので、注意が必要です。(相手は最初からドライヴゲージが溜まっています)
いざとなれば、ファントムフォールでハメることも可能です。

いずれにせよ、少なくとも30分程度は練習しておくのが良いと思います。
実戦だと焦って連打ばかりしてしまい、実力が付き難いからです。

アドベンチャーパートのシステムはオメガラビリンスと同じく優秀です。
右のアナログスティックを動かす
ことで、いつでも胸を揺らせます
テキストボックス内のSDキャラが大変可愛らしい。

誤字や誤読が数か所だけありましたが、特に問題では無いでしょう。
シナリオの分量を考えれば、十分に少ない方です。

アドベンチャーパートやアクションパートへのロード時間が少々長いです。10秒以上かかります。
ですがそれ以外は大体快適です。エラーは5回程度ありました、強制終了となります。
通常シーンで回想のエコーが掛かっている箇所もありました。急いで作品を仕上げた印象を受けました。

パッチは1.7GBと大きいですが、音声がクリアになります。ジャンプしないとダッシュ出来ない不具合等も改善されます。



百合的な場面の抜粋:


所々抜けがあります、特にマナと桃において。

追記:2018/10/16
2020年くらいにSteam版を再プレイした後、スクリーンショットを追加したいと思います。


<倫花と乱花>
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<ヴァイオラと小春>
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<倫花と満腹丸ちゃん> (ギャグ的な描写です)
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<マナと桃>
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親愛イベントより

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  1. 2015/12/20(日) 00:13:30|
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