百合ゲームレビュー -Works of "L" favorites-

サイト移転しました

ねのかみ 京の都とふたりの姫騎士 後編 感想/レビュー

 WS002246.jpg

前作におけるレビューの序文で、個別CGは六枚と書いたが詳細は後の方に書いた為、ここにも付しておく。
ギャラリー(CG鑑賞)では六枚であるが、差分扱いで個別CGがもう一枚ある為、実際は七枚存在している。

今後のアップデートが予定されている為、埋まらないCGやおまけシナリオは
プレイ後に公式ブログやディレクターのツイッターを確認しておく事を勧める。



◆序文:
(注意点、心得)


多くの点で前作を上回っている。もはや同人というレベルではない。非常に密度の高い作品。


背景の仕上げも向上した。
とは言え元が写真である為、雑草や木々が細か過ぎて割とうるささは残っている。
この手法を継続する予定なら、加工した後に映えるような場所を、取材で探し出すのも良いだろう。

人によっては、ボイスに予算を回すことを望む者もいるかも知れない。
筆者としては、重要なシーンさえ押さえておけば、その予算を絵に回すことを勧めたい。


用語辞典もワンクリックで行けるように改善。(前作では二回クリックする必要があった)

個別CGの枚数も、二十八枚と前作の四倍にまで増した。(ギャラリーにはラストカットは含まれていない)
ちなみにその内、SDが十枚、背景のみで二枚を含む為、単純に枚数だけでは語れない。

前作のレビューにて筆者は、老婆が白兵で戦うのは絵にならないと書いたが、
考えを改めようと思う。塗りと線の情報量が増えていて、実に迫力ある仕上げとなっていた。

少々過剰ではあったが、挿入歌が本作の数多ある名シーンを彩っていた。

以下、ネタバレは「脚本」、「作画」項のみ。



◇攻略:


プレイ時間目安:七時間 (おまけシナリオの一つを含む)

選択肢が一度あり、異なる視点から物語を追うことが出来る。



簡易表:


未完の為、脚本関連は後に見直す予定。以下の脚本項は前編と併せて判断。

脚本 (what to tell 何を描くか)
物語
B+
構成
B+

(※一.物語とは、世界の変革、個人の心境変化、それらの変化量。描出すべき事象の過不足の無さ)
(※二.構成とは、物語を描く為の適切な場面の配置、伏線起伏、溜め、ミスリード、小道具の使用等)


挿入歌の使用回数において、過剰さが目立った。同じもの二回以上使えば、効果は半減してしまう。
この点と、深刻な場面で日常系の曲を使用したことを合わせ、少々減点とした。

スクリプトのミスは二回程あったが、被害は軽微であり、特には考慮しなかった。
(テキスト上に、“☆シェイク”という演出指定が残っていて、スクリプトが付せられていなかった)

演出 (how to show どう描くか)
脚本的
A
作画的
B+
音響的
A
スクリプト
A-

(※一.脚本的演出とは、見せ場を指す。出会い、別れ、愛情、信頼、危機、対決、和解、真実の劇的発露)
(※二.作画的演出とは、印象的な絵。構図、背景、表情、所作、衣装、色、光、象徴、対比、レンズ効果等)
(※三.音響的演出とは、音楽と効果音の使い方。挿入歌は含むが、演技とシステムボイスは含めない)
(※四.スクリプトとは、画面効果を指す。アイキャッチ、ワイプ、暗転、立ち位置や表情の変化等も含む)




◆脚本:
(シナリオ、構成、テキスト、表現)


シナリオは洗練されている。見せ場も多く、構成も丁寧。

まずは構成について。

前編の発売から日が空いたが、後編の始まりを勢い良く切る事で、
少々冷めていた気持ちを覚まさせてくれた。

前編の導入が入念に為されていた事と、前編自体が後編への大きな溜めとなっていて、
そこからの飛躍にも成功している。更に続編へ向けてスケールの広がりも見せてくれた。

決戦の前に、最後の日常としてプール遊びに行ったのも良い。
回想の長さも適切。

次に脚本について。

マニキュア除去剤を投げつける所は、正直意図が良く解らなかった。
御劔の敗因の一つにしたいのは判るが、説明が不足しているように思えた。
女性らしさを捨てたことの象徴としたいのは解るが、それ以外に関しては疑問符が浮かんだ。

ルカや御劔の真実が明らかとなっていく場面は、特に意識を釘付けにさせられた。

キャラ設定に関して。

キャラに関して、少々後出しに見える箇所もあったものの、設定自体は最初からあったのだろう。
伏線があったかどうか、いつか前編からプレイし直して確認したい。

その他。

ふりがなが小さ過ぎて、判読しづらい。
ボイスが少ない分、視認性を上げる必要があると思われる。

誤字脱字は三回程度で、前作より増えたがそれでもまだ少ない方。




◇演技:


少な過ぎて、特に言うことは無い。

完全版のような物をいつか出す予定があるなら、是非とも御劔の声を追加して頂きたい。



◆演出:
(スクリプト、画面作り)


背景が改善した事で、物語世界に浸り易くなった。

戦闘時のエフェクトも、質と量の両方で向上が見られた。
特に初戦では続編のスタートを切るに当たり、十二分に配慮が行き届いていたと言える。



◇作画:
(キャラクターデザイン、原画、
塗り)


うずめの手紙のシーン。髪の流れが実に綺麗。泣きながらも最後に笑うのが実にうずめらしい。

漣と東雲の戦い、動きの感じられる漣の体の流れが良いと思う。
手前にある神剣は、被写界深度エフェクトを足すのもありだったろう。

白狗のデザインは元々可愛らしいものではあったが、
今作ではおよそ誰もが納得のいくものになったと思える。


鬼のデザインが最も陳腐で作品の品位をいくらか落としている為、ここは特に変更する必要があるだろう。



◆音楽:


挿入歌がこの上無く場面を盛り上げてくれている。

演出的なことを言えば、一曲の時間の長さに合わせて、挿入箇所を調整すると尚良いだろう。
無論、更にそれを進めてムービーの様に仕上げるのが一番ではあるが。



◇効果音:


再プレイ後に追記するかも知れない。



◆背景:


“末広大神”と書かれた暖簾(のれん)が目に痛い。
個人的には、彩度だけでも落としておくべきだと思う。

また、これは前作でも見られたが、全体的に傾いている箇所がある。
特別な意図が無い限りは、水平出しを心掛けた方が良い。

「序文」で述べた通り、前作に比して大いに質は向上している。



◇システム:


用語辞典までのクリック回数の最適化が成されていた。
また前作同様、辞典内にネタを仕込んでくる等、遊び心も兼ねている。

視点の切り替え時にも配慮が行き届いていた。



◆他:


サントラを始め特典が豊富、その上価格も抑えている。



◇結語:


爺さんと婆さん、唄之の過去も見たい。
憎しみに囚われていたとは言え、友の為にと命を賭して戦ったその姿には感銘を受けた。


前作以上に作品に魂が込められていたように思う。
本作は多くの人の心を動かすものとなっただろう。

今後も本シリーズから目を離す事が出来ない。

飽くなき向上心が、本作の更なる飛躍を約束している。

P1090427.jpg





[タグ未指定]
  1. 2017/01/10(火) 23:52:28|
  2. ADVゲーム
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

プロフィール

月桂樹

Author:月桂樹
◆サイト移転のお知らせ◆

http://www.yurigame.net/


大変お手数をお掛けしますが
ブックマークの変更など
よろしくお願い致します。




よるのないくに2:
楽しむコツ
・一周目は障害物を無視
・〃好きな武器を使用
・アップデートを適用
・サイドストーリーを
DLCで購入

ヴァルキリードライヴ:
楽しむコツ
デフォルトのペアで
クリアランクSSを取り、
初回からオーダールート
に入ること。
対象ステージはDrive
01~04、12~16
詳細は攻略サイトへ

星彩のレゾナンス:
楽しむコツ
初回に奈岐ルートに入り
プレイ意欲を確立する。
下級生ルートは流し読みで。
ゲームパッド使用推奨。
アクションはガードで
キャンセル可能

最新記事

カテゴリ

更新一覧 (6)
ADVゲーム (35)
ゲーム (18)
新作関連 (16)
コラム他 (23)
オーディオ (6)
星彩のレゾナンス (4)
つうかあ (14)

星彩のレゾナンス公式

星彩のレゾナンス考察

http://www.resonator.jp/

ヴァルキリードライヴ考察

http://www.mana-inagawa.info/

連絡先

laurel32237@gmail.com

サイト内検索

<注意>

本サイト内で用いた
“百合好き”の語は
筆者の想定する層
を指している為、
読者諸氏が必ずしも
そこに含まれる
とは限りません。
“百合”の意味する所も
個人差がありますので
ご注意されるよう願います。

レビュー内にはいくらか
造語を用いています。
留意しておいて下さい。

解説やレビューは
筆者の主観であり
絶対的なものという
わけではありません。

ミスがあっても
気付かずに放置する
こともあります。

示した見解は、
記事を書き上げた
当時のものであり、
現在とは異なる
場合もあります。

整合性を取る為には
記事を全て見直す
必要がありますが、
その為に使う時間が
ありません。
全体の95%が
正しい記述となればいい
くらいの気持ちで
書いています。

当ブログは、
PCからのアクセスを
前提としたサイト作りに
なっています。