BLUE REFLECTION 感想/レビュー
『ブルーリフレクション』という題名と星について：
星には自ら光を発するものと、そうでないものがあります。
恒星は前者で、衛星・惑星などは後者です。
ですが、どちらも星であるという点では変わりありません。
本作は、光を放つことの出来なくなった少女・日菜子が、
他者の光を反射させることで輝きを取り戻すお話です。
前書き：
結論としては、筆者が想定する百合好きにはかなりお薦めです。
ガチな恋愛感情を抱いているキャラもいます。
男性に恋する者も一応いるのですが、男性キャラの姿が現れることはありません。
難易度は低く、ハードモードでも攻略サイト無しでクリア出来る人がほとんどでしょう。
とはいえ、戦略性に欠けるわけではなく、コマンド選択式のバトルとしては洗練されています。
(ハードモードの利点は、ドロップアイテム数が多くなるという点が挙げられます)
巷で言われている通り、アトリエシリーズからゲーム性(主に錬金術)を差し引いて、
心理描写に注力した作りになっています。
敵を倒すことで経験値を得てレベルアップするのではなく、
絆を紡ぐことで力を増していくというシステムが、本作の目指す所を象徴しています。
20時間程度で、一通りクリア出来る分量です。
音声をスキップしない場合は25時間程度。
全員のサブエピソードを全て見るなら、30時間程度といった所です。
以下、「シナリオについて」、「百合的な場面の抜粋」にてネタバレ注意。
シナリオについて：
シナリオの分量はアニメに換算すると、ワンクール弱といった所でしょうか。
主要キャラの人数が多いので、一人当たりの物語が薄くなるのは仕方ありません。
個人的に良かったと思う点は、十代の少女が抱く悩み、将来への希望や不安、コンプレックスなどが
それなりに丁寧に描かれていたという点。更紗の日菜子に対する痛切な思慕。
物語を成立させるという観点からは、メインの三人だけではなく、
日菜子と更紗の友情と、“エトワール”という語に着目してみて下さい。
個人的に少々残念だと思えた箇所は以下に。
“足を治しもう一度バレエを踊る”という自己実現の為から、“世界を守る”という大義へと至る過程が弱い。
ほとんど口頭でのみ明かされる設定の数々。
メインの物語と、絆エピソードというサブの物語が噛み合わないことがある。
(つまり、時系列の構成が甘くなるということ)
“願いが一つ叶う”と聞かされて、疑問をほとんど抱かない等の児童向けアニメ的設定描写と、
多少複雑に入り組んだ深夜アニメ的な設定描写が、物語を曖昧なものとしている。
とはいえ、同社の「よるくに1」に比べれば、シナリオは遥かに作り込まれていると考えられます。
システムについて：
攻略に関してですが、イベントを見逃しがちなので、
以下を見ながらプレイすることをお勧めします。
http://gamesp.net/bluereflection/data/kiduna-episode.html
http://gamesp.net/bluereflection/data/date-event.html
攻略のコツですが、
亜子のフラグメントに、ドロップアイテム数を増やしてくれるものがあるので、
それを早めに入手することで、無為なザコバトルを減らせます。
戦闘に関しては難易度が低いので、自由に試行錯誤する楽しみを味わうことをお勧めします。
ですがオーバードライヴ時に、後の方に選んだ技ほど、威力が上乗せされ、
各種の負担が軽減されていることは覚えておいて下さい。
個人的に良かった点は、以下の通り。
戦闘後に全回復している為、非戦闘時の回復作業が必要無い。
技を選択する際に、敵の弱点や耐性が分かるので、分析の手間が不要。
ロード時間は3～7秒程度で、割と快適。(PS4 Slim)
バトルフィールド以外なら、どこでもセーブ可能。
基本的に、一戦当たりの時間が短い。(ザコなら2分前後)
良くなかった点は以下に。
会話時にオートが無い。
1回だけエラーが発生し、強制終了。
カメラ視点における自由度が小さい。
マップが変わり映えしなくて退屈。
(集合的無意識という概念を視覚化した空間の為、設定には適っている)
演出について：
向かい合って会話する者達を、前後から撮影する時は、
広角パース(被写体に近付いて画角の広いレンズで撮影)ではなく、
望遠パース(被写体から離れて画角の狭いレンズで撮影)を用いる方が自然。
つまり、両者の大きさがあまり異なって視えないように配慮すべきということ。
(特別な意図があるなら別)
ゲーム作品ですから、通常なら指摘する程のことではないのですが、
映像作品風の画作りを意識しているような所がそれなりにあった為、気になってしまいました。
以下のスクリーンショット等で見られる通り、屋内の明るくない所でも肌が光り過ぎていて違和感が大きい。
(常にこういう状態という訳ではありませんが)
百合的な場面の抜粋：
撮り損ねた箇所や、未見のイベントも多数あり。
＜モブキャラ＞
先輩をカメラ越しに見詰める後輩、シナリオを進めると関係が進展
＜仲の良い姉妹＞
＜他＞
日菜子を取り合うような夕月と来夢
シャワールームで日菜子にひっつく夕月
来夢と日菜子の関係を心配する夕月
和解する三人
＜日菜子としほり＞
日菜子に好意を向けるしほり
日菜子のスカートの中を覗くしほり
他人には言えないことをしようと誘うしほり
一緒にプールに入った後、下着を交換
下着を返してもらいに、再度更衣室へ
しほりの憧れていた人は、日菜子のおばさんだと判明
日菜子のおばさんがデザインし、しほりにプレゼントしたそのドレスが、日菜子のとお揃いだったことに運命を感じるしほり
＜日菜子と更紗＞
カラオケに遊びに来た二人
日菜子の足を心配し、気遣う更紗
遊園地を訪れる二人
放課後を共に過ごした
バレエの動画を一緒に見る約束をする
日菜子の苦しみを理解できるなら、自身の怪我でさえも嬉しく思えたという更紗
更紗は日菜子のことを、痛みを覚えるまでに気にかけてきた
決戦に向けて
［タグ未指定］
